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☆Last Up 2013.12.25 版権「※BL注意※欲しいものは一つだけ-2013 A・ミシェル生誕SS-
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※版権二次創作[BL注意] ミシェル×ヒュー(ポップン)※



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一年に一回。
聖なる夜を共にしたいのは世界中で君だけ。




年の瀬が迫る12月。
一年で最後の一大イベントといえば、そうクリスマスだ。
ハロウィンが終わるとあたり一面何処も彼処もキラキラとしたイルミネーションで飾られる。
友達や家族でクリスマスパーティーを開く者達が大多数だろうか。
「今年もアリス達とパーティーするんだけど、お兄ちゃんも予定あるんでしょ?」
そんなクリスマスが迫った12月某日の朝、ヒューは妹のキャロにそんな事を言われた。
「まぁ無い事は無いけど、仕事だよ」
「え!!!!仕事入れちゃったの?!」
クリスマスも仕事との兄の答えに思わずキャロは大きな声をあげてしまった。
「お兄ちゃん、25日は何の日だか覚えてないの?」
「何の日って、クリスマスだろ?」
訝しげに自分を見るキャロに対し、当たり前のようにヒューは言った。
すると、キャロははぁーっと大きなため息をついた。
「クリスマスだけど、それだけじゃないでしょ?少なくともおにいちゃんには」
それだけではない、とは一体全体どういう意味なのだろうか。
一体この妹は自分に何を言いたいのだろう?ヒューには全く検討がつかない。
「もう!お兄ちゃん!!25日は・・・・ってか、ミシェルさんと会うんじゃないの?」
クリスマスと言えば、バレンタインに次ぐ恋人達の日。
そのクリスマスにそもそも恋人であるはずのミシェルと会う約束がないというのはどういう事か。
キャにはそこが疑問に思った。
「え?別に会う約束とかしてないけど?あいつも仕・・・」
「お兄ちゃんはミシェルさんに会いたくないの?」
ヒューの言葉を遮って、キャロが言う。その表情は何故かムスッとしている。
会いたくないのかと聞かれればそんな事は無いが、お互い仕事なのならば仕方がないじゃないかとも思う。
だが、どうやらキャロはそんなヒューの考えが気に入らないらしい。
「別に会いたくない訳じゃないけど・・・」
「とにかく!25日は仕事が終わったらミシェルさんに会いに行く事!!じゃ、アリスと買い物行って来るから!」
そう言って、さっさと食器を片付けるとキャロは親友との買い物に出掛けて行ってしまった。
何故妹に叱咤されたのか解らないヒューを残して。
一体25日にクリスマス以外の何があるというのか。この時のヒューには全く解らなかった。



-クリスマス当日-



[今日は仕事が終わったら駅前のツリーの前で待ってて下さいね]
クリスマス当日の朝、ミシェルからそんなメールが入った。
キャロの言いつけもあり、少しだけ顔を見せに行こうと思っていたので丁度良い。
「まだ・・・来てないか?」
ミシェルに指定された待ち合わせ場所にまだミシェルは来ていない。
それもそのはずだ。思いのほか乗り継ぎが上手くいてしまったためにミシェルに伝えた時間よりも大分早くに着いてしまったのだ。
「結局、キャロは何が言いたかったのかなぁ・・・」
今朝も数日前と同じ事を言われてしまい、今日一日中考えたがやっぱり何の事だか解らない。
一体クリスマス以外の何かとはなんなのだろうか。
キラキラと輝く大きなツリーを見上げて、もう一度思考を巡らせた。
「そういえば、クリスマスって聖誕祭なんだっけ?」
「そうそう!一応誕生日なんだよなー」
ヒューの後ろを通り過ぎた一組のカップルの何気ないその会話が何故か妙に引っかかった。
(誕生日・・・?)
「・・・・・・・・・・・・・・・あ」
誕生日という単語をキーワードにしばらく考えて、一つだけ思い当たる事があった・・・かも知れない。
まさかそんな大事な事を忘れていた?いやいやまさか。
しかし、どう考えてもそれしか思い当たらない。それに、それが正しいとするのならば今朝キャロに言われた事も理解が出来る。
「マジかよ・・・、今日ってあいつの」
「ヒューくーん!お待たせしましたー」
最後まで声に出しかけた所で、背後からヒューを呼ぶ男の声がした。
恐る恐る後ろを振り返ると、満面の笑みを浮かべたヒューの恋人。
アルフォンス・ミシェルが立っていた。
「ヒュー君どうかしました?」
「べべべつにどうもしてないし!早く行くぞ!」
ミシェルが焦った様子のヒューの顔を覗き込む。
即座にそっぽを向いて、ヒューは一人で歩き出してしまう。
(言えない・・・今の今まで誕生日を忘れていたなんて・・・)
今はただ、必死に平静を装う事しか出来なかった。


(ああ、どうしよう・・・)
ミシェルの部屋に着いてからもずっとそんな事を考えていた。
誕生日だという事をすっかり忘れてしまっていたせいで、誕生日のプレゼントなど用意すらしていなかったからだ。
ミシェルとの会話もこれぽっちも頭に入ってこない。
「・・・ますか?ってヒュー君?聞いてますか??」
先ほど立ち寄った文具店で購入したのはブックマーカーただ一つ。
それも、ちょっとしたクリスマスプレゼントのつもりで購入したものだ。
クリスマスと誕生日を兼ねるにはあまりにもこじんまりとししている。
(ここは正直に言うべきか?それともしらばっくれるか?や、それは流石にダメだよな)
プレゼントが無い事くらいでミシェルが怒るとは思えない。
それよりも、忘れていたという事実にショックを受けるだろう。
ヒュー自身まさか恋人に誕生日を忘れ去られて居るとは思ってもみない。そして、とても悲しい気持ちになるだろうと思う。
「ヒューくーん?」
「ふぇ?あ?ごめん何だっけ?」
ひらひらと目の前で手を振られ、ようやく我に返った。
慌ててミシェルを見ると、ムスッとした表情を浮かべている。
「ケーキ食べますかって聞いてたんですけど」
その言葉通りいつの間にかテーブルの上にあった食事はすっかりと片付けられ、代わりにケーキが置いてあった。
甘いお菓子が大の苦手なヒューのためのミシェル特製の超甘さ控えめなレモンパイだ。
ほとんど砂糖を使っていないのでそのまま食べるととてつもなくすっぱい。
そのためヒュー以外の人が食べるには、砂糖たっぷりの甘ーいホイップクリームが必要だ。
今回もミシェル用のホイップクリームが小さなココットにたっぷりと用意されていた。
「可愛いでしょう?オフィーリアとアリシアさんも手伝って下さったんですよ」
クリスマスらしくするためか、苺や砂糖菓子のサンタクロースで可愛くデコレーションもされている
「だから、トナカイの角が一本折れてるのか」
見ると、砂糖菓子のサンタクロースのそりを引くトナカイの角が一本だけ折れてしまってる。
ぬいぐるみに対するあの扱いだ。きっとアリシアが置いた物なのだろう。
なんだかんだと言いながらも楽しくデコレーションしたのだろうとヒューは思った。
「ふふ、ヒュー君やっと笑ってくれましたね。今日はずっとうわの空って感じだったので、僕と居ても楽しくないのかなって思ってしまいましたよ」
ションボリです、とミシェルは肩を落とした。
大切な人との時間なのに、その大切な人を蔑ろにして自分の事で頭がいっぱいになってしまっていた。
「うぅ・・・ごめん」
恋人であるミシェルと一緒に居るというのに、楽しくないなんてあるはずがない。
しかもヒューは忘れてしまっていたが、今日はクリスマス以前にその恋人の誕生日なのだ。
「では、お詫びにキスして下さい」
「はぁ?!」
ここに、とミシェルの細長い指がヒューの唇を撫でる。
部屋には自分達しか居ないとはいえ、自分からキスをするなどヒューにとっては恥ずかしい事この上ない。
そんな恥ずかしさいっぱいのヒューを他所に、当のミシェルは瞳を閉じて準備万端だ。
「ヒュー君?」
早くと言わんばかりにその可愛らしい恋人の両手を握った。
「い、一回だけだからな?」
そう宣言すると、気恥ずかしさに震えながら一回触れるだけのキスをした。
ミシェルの顔をまともに見ることが出来ずにヒューは下を向いてしまったが、ミシェル本人は満足したに違いない。
恋人からのキスとその恋人が恥ずかしがる姿を見られたのだから。
「ヒュー君って、本当に可愛いですね。食べちゃいたいです」
下を向いたままのヒューの髪を撫でた。
「お前が言うと洒落にならないからやめろ・・・!」
思わず顔を上げると、何故か満面の笑みを浮かべたミシェルと目が合ってしまった。
それは、完全に何か良からぬ事を考えている目。
「ってか、コレ食べるんじゃなかったのかよ」
嫌な予感を察したヒューはテーブルの上のレモンパイを指差した。
このままミシェルのペースにはまってはこのレモンパイを食べずに終わってしまう。
甘さ控えめとはいえ、やはりお菓子はお菓子。
出来る事なら食べたくはないが、あくまで自分のための特製レシピで作られた物。さらにオフィーリアとあのアリシアがデコレーションしたとあっては無駄にするわけにはいかない。
「あぁ、そうですね。でも、デザートは後ですよね」
そう言って、何故か苺を一粒摘み上げた。
「それに、洒落で終わらす気なんて、毛頭ありませんから」
耳元で囁かれたと思うと、ヒューの反論を許さずに唇を塞いだ。
「んん・・むっ・・ちょ・・」
苺を一粒口に押し込まれたかと思うと、どさくさに紛れてミシェルの舌も侵入してくる。
苺共々ぐちゃぐちゃにかき乱されて、もう何がなんだかわからない。
「苺。美味しかったですか?」
口元を伝う果汁を指で拭いながら、ゼェゼェと肩で息をするヒューにそんな事を聞いてくる。
味なんて感じる余裕がない事など解っているくせに、そんな意地悪な事を言ってくるのだ。
「おまっ・・・殺す・・気か・・・っ」
危うく意識を手放しかけたうえにまだ頭がクラクラしている。
そもそも苺の食べ方を間違えている!と言いたげに涙目でミシェルを睨み付けた。
「ヒュー君とっても可愛いです。もう一個食べます?」
「食べるか!!!」
またもねじ込まれそうになる苺をヒューは全力で拒否をした。
今度同じ事をされたら確実に意識が飛んでしまう、そう思ったからだ。
(今意識飛んだら確実に家に帰れなくなる)
キャロが帰ってくるから、終電で帰宅しようこの時のヒューはそう思っていた。
「ヒュー君、終電で帰ろうと思ってるでしょ?」
そんなヒューの考えはミシェルにはすっかりお見通しだ。
「今日は、帰しませんよ?キャロさんにもばっちり了承済みです」
どうやら、ヒューの知らないところでミシェルとキャロにによる密談が行われていたらしい。
普段兄の恋愛事情などに全く興味を示さないキャロが、クリスマスについてやたらとつついて来た理由は、恐らくこのためだろう。
通りで出掛けて行ったキャロの荷物がいつもより大きかった訳だ、とヒューは思った。
と、いう事は翌日ヒューの仕事が休みだという情報も当然流れているはずだ。
「あんにゃろ・・・」
まんまと妹の思い通りに事が進んでいるという事が、ちょっぴり悔しい。
泊りがけならそうと言ってくれれば、反対などしないのに。
「ふふ、だからヒュー君?」
肩に手を置かれたかと思うと、一瞬にしてヒューの見える景色は真っ白な何かになった。
それがミシェルの部屋の天井で自分がソファに押し倒された、という事を理解出来るのに数秒。
「洒落で終わらせる気なんて無いって、言ったでしょう?」
驚いて静止してしまったヒューの首元に顔を埋めて、ミシェルが言った。
実に幸せそうに、それで居て胡散臭い。満面の笑みを浮かべて。
間違いなく、「今夜は寝かせない」そういっていた。
「な、なななっ・・・・ちょ、ミシェっ・・ひゃ・・・」
片手でヒューの抵抗を封じながら、額から順に優しくキスをしていく。
「メリークリスマス、ヒュー」
ヒューにとって大変なクリスマスだったのは、言うまでも無い。



忘れてたって良いよ。
あなたが居てくれたらそれだけで幸せ。
僕が欲しいものは唯一つなのだから。



HappyBirthDay! Michel!  and MerryChristmas!!







end
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自己紹介:
小説家の卵の卵な管理人です。
日々精進、有言実行を夢見て生きてます。
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