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☆Last Up 2013.12.25 版権「※BL注意※欲しいものは一つだけ-2013 A・ミシェル生誕SS-
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傍によると漂ってくる石鹸の香り










優しく笑って、時には強く叱ってくれる人










戦いになると身体を張って僕を守ってくれる人












僕の大好きなお母さん









暖かい日差しが差し込んでくる。
僕は眠い目を擦りながら、ベッドから出た。隣を見ると、お母さん・・・・フェアはもう居ない。
耳を澄ますと、パタパタと走り回っている音が聞こえた。
顔を洗って食堂に行くといつものみんながもう席に付いていた。多分、僕が一番最後。
「おはようございます!皇子様」
御使いである天使の女の子リビエルが僕に挨拶する。
僕は相変わらずの小さな声でおはようと返した。
「めっずらしわねー。アンタが寝坊するなんて」
ちょこんと席に着くと、僕の向かいに座っているリジェルが不思議そうに僕の顔を覗き込んだ。
何故だか、リシェルの隣にいるルシアンも心配そうな顔をしている。
リシェルと弟のルシアンはフェアの幼馴染でぶろんぐす家のお嬢様とお坊ちゃまなんだって。
「誰か運ぶの手伝ってー」
厨房からフェアの声。
僕は早くフェアに「おはよう」って言いたくて、椅子から降りると走って厨房まで行った。
「ああ!皇子様!走ったらいけませんわ!!」
「はっはっは。良いではないかリビエル」
「でも!!」
走り出した僕を慌てて止めようとするリビエルを御使いの一人であるセイロンが諌めた。
なんだか、セイロンには僕の心を見透かされてる気がする・・・。
ひょこっとドアから顔をだして、忙しそうに動くフェアの後姿をみる。
厨房からはスープのいい匂いがした。声をかけずにじーっと見ていると、視線に気付いたのかフェアがこっちを振り返った。
「コーラル?どうしたの?そんなところで」
僕に気付いたフェアはきょとんとした表情で僕を見る。
「フェア・・・・おはよう・・・」
「うん、おはよう!コーラル」
小さな声で「おはよう」と言った。フェアはにっこりと笑顔で返してくれた。
当たり前のことなのに、僕はそれがとても嬉しい。御使い達も他のみんなも同じように挨拶してくれるのに、フェアのときだけはなんだか妙に嬉しいんだ。
照れくさくってちょこっと下を向いちゃった。
「僕、お手伝い・・・する」
「ありがとう。じゃあ・・・・パンの入ったバスケット、持てる?」
みんなが食べるパンが入った大きなバスケット。僕は両手をいっぱいに広げてフェアから受け取った。今日のパンはフェアじゃなくてアルバのかな・・・?
「コーラル?大丈夫?」
「・・・うん・・・」
パンをじっと見つめていると、フェアが心配そうに言った。僕はバスケットごと頷く。
足元が見えないけど、多分大丈夫・・・かと。
「まぁ!!フェアったら、また皇子様に手伝わせて!!」
食堂に戻ると、バスケットを持ってる僕を見てリビエルが叫んだ。
「僕が・・・・手伝うって・・・言ったんだよ」
慌てて近寄って来たアルバにバスケットを渡しながら、僕はリビエルに言った。
リビエルはちょっと不満そうな顔をしていたけど、後ろに居るセイロンはニコニコしてる。
やっぱり・・・・・見透かされてる気がする・・・・。
「偉いな!コーラル」
テーブルにバスケットを置いたアルバが僕の頭をくしゃくしゃと撫でた。
アルバはなんだかお兄さんみたいだ。
「しょーがないわねー。コーラル!フェアのとこ行きましょ!」
かたんと音を立ててリシェルが立ち上がった。続いてルシアンも。僕は二人に付いてもう一度フェアの居る厨房へ行った。













フェアが切り盛りしている宿屋さん。
僕達のお家。
朝ごはんが終わると、休む暇も無く今度はシーツとかの洗濯が始まる。
僕は洗濯しているときにフェアの傍に居るのが好き。石鹸の匂いはお母さんの匂いだから。
洗濯したシーツをそっとフェアに差し出した。フェアはにっこり笑ってそれを受け取ってくれる。
その後のお店番もお買い物も付いていった。フェアは全然迷惑そうな顔をしなかったけど、迷惑じゃなかったかな・・・・。
「フェア」
「何?コーラル」
お買い物帰り道、僕はフェアに聞いてみる事にした。
「僕・・・迷惑じゃない・・?」
突然の僕の質問に、フェアは一瞬だけ驚いた顔をしたけど。
すぐににっこりと笑い返してくれた。
「迷惑じゃないよ。全然、むしろ嬉しいぐらいだよ」
フェアは本当に優しい人だな・・・・。僕は買い物袋を持ち直して、照れて下を向いた。
僕が聞きたいこと。もう一個在る。
「フェア」
「ん?」
僕がどうしても気になること。それは・・・。
「フェアはずっと働いてるけど、何時休んでるの?」
まっすぐにフェアの薄い灰色の瞳を見つめた。フェアはさっきとは違う、でも驚いた顔をしてその場に立ち止まってしまう。
みんなのご飯の準備も洗濯もお買い物もお店の掃除もほとんど一人でこなすフェア。
戦いになれば僕を守るために、みんなの先頭になって戦って、戦闘訓練だって欠かさない。
疲れていないはずが無いのに、いつも笑顔。
「コーラル?どうして、そんなこと聞くの?」
「いつも、フェアは・・・無理をしているから」
疲れた表情なんて絶対に見せないフェア。僕達に心配をかけないためだってわかってる。
でも、辛いときはせめて僕にだけは言って欲しいよ。
フェアは今度は困ったように笑った。
「困ったな・・・コーラルには、全部お見通しだったんだ・・・」
「僕だけじゃない・・・よ。セイロンも・・・・アルバだって気付いてる」
働くフェアの後姿をアルバが心配そうに見てるのを見かけたことがある。
僕の方がフェアといっぱい一緒に居るのに、フェアが無理をしているのに先に気付いたのはアルバだった。ちょっと、悔しい・・・。
「これからは・・・・僕もお手伝い・・・する・・・ダメ?」
フェアの負担が少しでも軽くなるなら、僕もお手伝いをしようと思う。
リビエルとかアロエリに怒られても、お手伝いをしようと思った。
だって、フェアは僕のお母さん。大好きなお母さん。無理はしないで欲しいんだ。
「・・・ありがとう・・・コーラル」
少し俯いてフェアが言った。声が少しだけ震えている。
フェアのほっぺに涙が伝っていた。
「悲しいの・・・?」
「違うよ。嬉しいの」
涙を拭きながら、また困ったように笑う。僕はフェアに駆け寄ってきゅっと抱きついた。
そんな僕をフェアはそっと抱き返す。
石鹸の匂いがする。お母さんの優しい匂い。
「お母さん・・・・大好き・・・」
「うん・・私も」
大好きな僕のお母さん。無理はしないで、僕が傍に居るから。
お母さんの力になれるようにがんばるから。
お家に帰ったら、遅いって怒られちゃったけど。僕は少しだけ嬉しい気分だった。
フェアも同じ気持ちだったら嬉しいけど、どうかな?
ちらりとフェアを見上げると、少しだけ嬉しそうな横顔。同じ気持ちだって思っても良いよね?
お母さん。








今日も僕が目を覚ますと、隣にはフェアは居ない。
でも、僕は真っ先にフェアの居る厨房へ行くようになったんだ。フェアの・・・大好きなお母さんのお手伝いをするために。一番最初に「おはよう」っていうために。
これからも、僕にいっぱいお手伝いさせて・・・・・フェア。












END











☆コメント☆

サモンの初SSです。今回はコーラル視点ですよー。
コーラルとフェアなのは私のお気に入りコンビ、というか一週目がこのコンビだったからです。
アルバとセイロンがなんかいっっぱい出てきたのは、単に私が彼らを好きだからです。(笑)


登場人物視点で書くのは・・・・やっぱり難しいですね。
文が続かないのです・・・・。ちょっとグダグダな感じで申し訳ない。勉強してきます。
さて、今回のSSはコーラルがフェアのお手伝いをしようって思ったきっかけみたいなのを私なりに妄想してしまいました。
竜の子と主人公は純粋な親子関係がいいです。特に本編中は!
可愛い息子(娘)なんだよ。なんとなく、恋人関係にはならないで欲しいです。最終戦後は竜の子が主人公に一方的に片思いしてると良いなぁ・・・。
親子関係万歳。(笑)

あ、サモン4がわからない方は公式行ってみてくださいね!



でわ、最後まで読んでくれた方ありがとうございました!!
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小説家の卵の卵な管理人です。
日々精進、有言実行を夢見て生きてます。
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