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☆Last Up 2013.12.25 版権「※BL注意※欲しいものは一つだけ-2013 A・ミシェル生誕SS-
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―さぁ、我らの宴はもうすぐ始まる―





人間の諸君、生け贄(お菓子)の用意は十分かな?




我らの宴がハロウィンはもうすぐだ













☆ハロウィン週1連載雑記☆

第0話 ―Sabbath ~魔女の集会~ ―













「集会の招待状だ、食べるんじゃないぞ」
バサバサと音を立てて飛び立った烏の捨て台詞はこうだ。
ロロは見えなくなりつつある烏の後姿を見つめて悔しそうに爪を立てた。
「ロロはヤギじゃにゃいっ!!!」



何処か知らない王国の西の森のそのまた西に広がる大きな森。
そこがロロと西の魔女と恐れられる強い力を持った魔女であるメイサの住処だ。
「メイサ、入るにゃ」
ノックをしてからメイサの居る部屋のドアを開けた。
すると、部屋からモワンと白い煙のようなものが大量に出てくるではないか。何かが爆発したような焦げ臭いにおいまでもしてくる。
「珍しいにゃ。実験に失敗したにゃか?」
「黙れ。薬の量を間違えただけだ」
ブンっと勢いの良い音を立てて、白い煙の向こうから分厚い本が飛んできた。
本は寸前のところでロロの頭を掠めて、そのまま反対側の部屋のドアへぶつかるとバサっと床に落ちる。
「窓を開けるにゃ」
「ダメだ。良いから、そこのドアを閉めろ」
ロロは不思議に思いつつもメイサの言うとおりにドアを閉めた。
すると、あっという間に白い煙が消えていく。よく見ると、メイサの机の上に開かれている本の中に煙が吸い込まれていっている。
ものの3分で部屋に充満していた白い煙は綺麗に消えてしまった。
「お得意の封印術かにゃ」
メイサの得意魔術の一つである封印術。
一度封印されてしまえば、どんな高等な悪魔でも決して打ち破ることは出来ないと言われている。
この屋敷の地下書庫にもメイサによって本の中に封印されてしまった魔物たちが納められているのだ。
「新薬の完成までもう少しだ」
「メイサは研究熱心なんだにゃ」
「只の暇つぶしだ。ああ、もう窓を開けても大丈夫だ」
メイサの合図でロロが部屋の窓を全て全開にする。実験が失敗した後はこうして部屋の空気を入れ替えるのが常識だ。
暇潰しと言いつつ何日も部屋に篭っては新薬や新術の開発実験をしている。
放っておけば食事も取らずに篭っているのだ。気を付ける様にロロが注意をしても、全く聞き入れる気配などありはしない。
「ところで、その手に持っているものを渡しなさい」
椅子に沈むように腰掛けたメイサはロロが持っている封筒を指差した。
先ほどの烏が運んできた真っ黒な封筒だ。
「そうだったにゃ。コレを私に来たんだったにゃ」
「なるほど、集会の招待状か」
封筒を受け取るなり「やっぱりか」といった表情でメイサは言った。
真っ黒な封筒に魔方陣の刻印、間違いなく魔女の集会の主催者からの招待状であろう。
「行くにゃか?」
「ふん、どうせ目前に控えているハロウィンのことだな」
「行かないにゃか?」
ロロはメイサの膝の上に座ると、鬱陶しそうに封筒の風を切った。
真っ黒な封筒の中から出てきたのは眩しいくらいに真っ白な便箋が1枚。全く何も書かれてなどいない。
スゥッとメイサが便箋の上に手のひらをやると、キラキラとした光が便箋に綴られている文字を浮かび上がらせる。
そう、魔女の集会の招待状は魔女にしか読めないように書かれているのだ。
万が一他の種族の者に見られてしまわないように。
「ほう・・・面白いことが書かれているな」
魔女の集会となるといつも鬱陶しそうにしているメイサが、今回の招待状をを見て楽しそうに目を細めた。
魔女の使い魔であるロロにも魔女達の文字は読むことが出来る。
メイサとロロが顔を見合わせ、ニィっと笑いあった。
「ロロ準備をしろ。明朝には発つ」
「ハイだにゃ」
ロロは瞳を輝かせた。何を隠そうロロは魔女の集会の時に出される食事が大好きなのだ。
集会はいわば魔女達の宴会のようなもの。会議をしながらも宴会を楽しむのだ。その時に出される料理の美味しさといったら。
他の使い魔の仲間との情報交換も出来る集会をロロは毎回ひっそりと楽しみにしている。
「ところでメイサ」
「なんだ?」
ドアの方へ歩いていたロロは急に歩みを止めメイサに振り返った。
「お腹空いたにゃ。パンプキンパイ作ってにゃ」
お腹を押さえてメイサを見る。
「だったらカボチャを採って来い」
スッと部屋の窓から見える庭の畑を指差した。
メイサの屋敷の荒れ放題の庭の一角にはカボチャ畑がある。コレはパンプキンパイが大好きなロロのためにメイサが作った畑。
大好きなパンプキンパイをたくさん食べたいというのがロロがメイサと契約するときに出した条件であり、単純すぎるロロの願いなのだ。







「よいしょ・・・これだけあれば、お腹いっぱいパンプキンパイが食べられるにゃ」
新鮮なカボチャを好きなだけ収穫すると、それを小さな陶器製のバスタブに入れる。そしてロロ自身かバスタブに乗せたカボチャの上に腰掛ける。
すると、のそのそとゆっくりだか、確実にバスタブは屋敷の勝手口を目指して歩き始めた。
このバスタブもメイサが暇潰しにかけた魔法により動くようになってしまった者の一つだ。
メイサは飽きたと言って魔法を解こうとしたのだが、ロロがこれを気に入ってしまったためにそのままにしてある。
「ロロー!メイサは居るか?」
「にゃんだ。またおまえかにゃ」
ロロとバスタブの頭上を、先ほど集会の招待状を持ってきた烏が翼をはためかせていた。
「緊急の知らせを持ってきた。メイサにしっかり渡しておくれよ!」
下げた鞄から、今度は白い封筒を引っ張り出しロロに手渡す。
どうやら緊急と言うのは嘘ではないようだ。烏の嘴がかすかに震えている。
「じゃあ、確かに渡したからな!食べるんじゃないぞ!」
「だから、ロロはヤギじゃないにゃ!!!」
次の魔女の元へと急ぐ烏に向かってロロは叫んだ。
「セバスチャン、急ぐにゃ!」
バスタブに勝手に付けた名前を呼んで、バスタブを急がせた。
緊急の知らせなのならば、すぐさまメイサにこの手紙を渡さなければならない。





「メイサ!」
「なんだ、ロロ。カボチャは採ってきたのか?・・・どうした?」
勢い良く飛び込んできたロロを見て、メイサは訝しげな表情をした。
大好きなパンプキンパイを作ってもらう時に、ロロがこんな風に思いつめた表情をして飛び込んでくる訳がない。
「今さっき、コレが届いたにゃ・・・」
ゼェゼェ言いながら、烏から受け取った白い封筒を差し出した。
「この刻印は・・緊急のものか」
ロロから封筒を受け取ると、その場で封を切り便箋を取り出す。
集会の招待状のように手のひらをかざし、内容を読み始めた。
「メイサ・・・・?」
ロロが心配そうにメイサを見る。
「始まったようだ」
























魔女狩りが














.....第1話に続く
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小説家の卵の卵な管理人です。
日々精進、有言実行を夢見て生きてます。
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